\イベント・レポートvol. 2/「潟の夢映画祭2022」

「潟の夢映画祭2022」を7月29日(金)に開催し、アーティスト・友政麻理子による「窓映画館、カーテンの夢」を上映しました。


「潟の夢映画祭」は、水と土の芸術祭2015アートプロジェクト招へい作家の友政麻理子さんが、新潟で市民とともにつくった作品・プロジェクトで、現在も活動が続いています。

東京を拠点に活動する友政さんが2020年に始めた「窓映画館」は、同年に新潟でも行いました。遠隔での制作は、お互いのこれまでの経験と信頼関係があるからこそ実現するものかもしれません。今回の作品「窓映画館、カーテンの夢」は、2021年に友政麻理子(東京)、ワダミツヒロ(東京)、髙橋秀彰(新潟)の監督、脚本で制作し、東京都足立区千住地域の民家の窓で回遊形式の上映作品として発表したもの。本イベントに合わせて再編集することで、新潟の窓での上映が実現しました。


(仮想)みずとつちの芸術祭2022のメイン会場がある「ゆいぽーと」の室内から窓に投影した映画を鑑賞者が外から観る、という上映スタイル。日暮れ時に始まり、自然の明かりは徐々に落ち、スクリーンが浮かび上がるように現れました。上映作品は、2021年コロナ禍、自粛生活中の大学生などから集めた約90もの「夢」の話を収集し、それらをもとに制作された12編の短編映画。


水と土の芸術祭2015の「潟の夢映画祭」のときは、市民が見た「潟の夢」をもとに短編映画を制作し、それらを鑑賞する場、つまり映画館が作られ、作品の展示・上映空間となっていました。(仮想)みずとつちの芸術祭2022の「潟の夢映画祭」でもまた、形を変えてこのような場が立ち上がったのは、アートと地域の関係、市民の活動が生き続けているからなのでしょう。この日、私たちが見たのは数々の夢であり、光となった夢は夜の闇を照らし、人々を確かにつないでいました。

文:蟻川小百合(事務局 みずつち市民サポーターズ)

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みずつち市民サポーターズ

正式名称「水と土の芸術祭市民サポーターズ」。水と土の芸術祭をサポートする市民団体として2008年に立ち上がりました。私たちは現在も、地域に根差した芸術文化活動のサポートを目的として活動しています。メンバーも常に募集しているオープンな団体です。新潟市内で活動するアーティストや団体の情報収集・発信、記録集の制作、団体同士の関係づくりのための企画などをおこなっています。

「水と土」によって育まれてきた地域の文化にさまざまな角度から光をあてることで、現代における価値や問いを見出すといった、これまで芸術祭が担っていた一つの役割を、私たち市民が自らの方法によって引き継いでいくことはできないか。多くの人、団体と交じり合いながら、市民の手による芸術祭の開催を模索します。

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